2026.06.15
デュカって知ってます?
私は知らなかったのですが、スパイスと砕いたナッツなどを混ぜた、中東で親しまれているミックススパイスのことです。
それがイヌワシストアで販売されていました。ラベルにはこう記されてます。
「Spent Malt Grains from OCTONE BREWING」翻訳すると「OCTONE BREWING製の麦芽粕を使用」です。

OCTONEはオクトワンと呼びます。奥利根にある醸造所だからオクトワンブルーイング。自社製クラフトビールを水上温泉街のタップルームで提供しています。
ビールの醸造工程において大量に使用される麦芽(モルト)ですが、ビールになるのは麦芽から絞り出された麦汁であり、膨大な量の搾りかす=「モルト粕」が残ってしまうのです。
これまで、オクトワンではそのモルト粕を、近隣の牧場へ運び乳牛の飼料として活用していました。
しかし、モルト粕は見逃せないくらい栄養が豊富。イヌワシサブレの記事で触れているので割愛しますが、牛さんのみならず人間もぜひ摂取したいスーパーフード的ポジション。そんなモルト粕が入っているのが、このデュカなのです。
なぜデュカ?

きっかけはplower代表・茶屋さんと、イヌワシストアマネージャー・みさきさんの
「デュカ欲しいね」「ね〜」から始まったのだそう。
複数運営しているカフェのメニュー考案で食のアンテナが敏感だった代表と、これまた食と調理に精通したみさきさんの、無意識の集合意識のようなものが突如つながり発露したのかもしれません。
そのタイミングで、オクトワンブルーイングからモルト粕の存在を聞き、デュカの具材のひとつに採用されました。乾燥させたモルト粕が入ることで、食感がより楽しくなったそうです。
デュカのディレクションはみさきさん。過去に食べたフレンチシェフによるデュカが美味しかったので、その味を参考にしたとのこと。
大変だったのは塩加減で、まろやかな旨みを持ちながら他の具材によく絡むよう、湿り気に特徴のあるゲランドの塩を選んだそう。他にナッツ、クミン、コリアンダー、白ごま、カスリメティ、胡椒が入っています。
特徴は?

何にでも合わせられる点がこのデュカ最大の特徴です。
油分との相性がいいので、オリーブオイルと一緒にパンにつけたり、グリルしたお肉や茹で野菜、チーズにもGOOD。
料理の仕上げにふりかければ、歯ごたえと香りのアクセントが加わり奥行きのある味わいに。

私は試しに、ゆで卵にマヨネーズをつけてデュカをふりかけてみたのですが、食べ終えて即もう一個ゆで卵を作りはじめました。それぐらい美味しい。
冷奴にかけるのもオススメとのこと。確かに豆腐なら塩気と香ばしさがよく合いそうだなぁ。あとバニラアイスにもアクセントになっていいらしい。ば、バニラアイス?!大人の味ってこと?…デュカ、君の才能が怖いよ!


元はスタンドパウチだったパッケージを瓶へ変更し、よりお土産然となりました。朱色のバージンシールの絵が個人的キュンポイント。キッチンに置きっぱなしでもアガるデザインがうれしいですね。お料理好きへのプレゼントにもいいかも。

デュカは店頭とオンラインストアでも販売中。
デュカ 950円(税込み)
あとがき
筆者はplowerやイヌワシストアの回し者ではなく…いや、回し者か?…とにかく部外者なのですが、これまで4つの商品についてインタビューし記事を書いてきた中で思ったことがあります。イヌワシストアの商品をはじめ、plowerの作るものはみな「取り巻く人たち」に重点を置いているなと。
材料の生産者・提供者・商品の製造販売者が一緒によろこべて、無理をせず、正直でいられるものを作るんだ!という気概を感じます。もちろん他のお土産もそうかもしれませんが、その土地全体で喜び合いたい気持ちがより強いというか。
そういうベクトルも持っているからか、手に取るお客さんへの「どうですか?!いいでしょう?!」という圧が無い。
私は個人的に、お土産ってビジネスの側面が強いなと思っていて、そんなつもりはなくても自然と込もってしまう作り手の念というか、重苦しさみたいなものがお土産には結構あるなと感じるのですが、それが無い。気負いせず「これいいな」と素直な気持ちだけで買える。商品を手に取る側へのそういったバリューにも確かになっている気がします。
でもそういう気概や決心ってちょっとやそっとで実現できるものではなくて、賢くやったとしても結局<時間>と<痛み>が必要なのかなと時々思います。
地域を盛り上げる事業はこれまで全国で数多あって、失敗はもちろん、成功しているように見えているものもあったでしょう。
そしてこれは地域活性事業以外にも言えることなのですが、それら失敗や闇の部分を経験した人、その経験を伝えた人、引き継いだ人…彼らが引き受けた、つい無駄ではなかったと言いたくなるような痛みの部分をちゃんと「あれは無駄だった」と思えることで、初めて無駄ではなくなると思うのです。
plowerの人たちは、今までの全てが無駄ではなかったんだということを体現しつつ新しい方法を試し、自分の暮らしを使って実験をしている研究者のように私には見えます。